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トップページ > 大災害のときの常識集 > 消火のための水が出ない、またはすぐになくなります

水が出ないと私たちの生活は、どうなる?

飲み水がバツ
風呂がバツ
料理や洗いものがバツ
洗濯がバツ

 水は、生命の源というように、人体の約7割は水でできています。水がないと、人は生きていけません。
 では、水が出ないとどうなるでしょう。風呂、料理、洗いもの、洗濯等ができません。いざ大災害となったら、毎日、朝シャン(朝風呂)はできませんし、皿のうえにラップをして利用して洗いものが出ないように工夫をしたり、下着がよごれないように惜し紙おむつや生理用品を使うといった工夫も必要になります。

 飲み水だけでも人は1日に最低2リットル、できれば3リットルが必要といわれています。阪神・淡路大震災では、高層マンションに住んでいた方が、地震によるエレベータの停止で、マンションは無事だったけれど重い飲料水を階段で運ぶことができないという理由だけで避難所暮らしを余儀なくされた人もいました。そうでなくても、毎日のように給水拠点で並んで水をもらって自宅まで運ぶという重労働は、老若男女を問わず、困難を極めました。
 給水車から水をもらう場合、水を入れるものがなくて、苦労しました。鍋やバケツでは、もらえる量も少なく、運ぶ間にこぼれてしまいます。できれば10-20リットル入る大きい容器を買っておいたり、段ボールに大きなビニール袋をかぶせて水を入れ、しばって段ボールごと運ぶなど、工夫をしましょう。特に近所の高齢者や身体障がい者の方は、重い水を運ぶのはまず難しいでしょう。地域でリアカーを利用し協力をして運ぶといった工夫も必要です。
 また、浄水器や煮沸をする用意があれば、近くの川や池の水、井戸も飲み水やとして利用できます。近所のどこに川や池、井戸があるのか、知っておくと、いざというとき役に立ちます。

 さて、阪神・淡路大震災において実は水が出なくて一番困ったのは、トイレでした。断水が原因ですが、神戸市では、「仮設トイレ対策本部」が設置されたほど、大問題でした。そして避難所ではトイレをめぐっては、次のようなさまざまな困難な状況がみられました。
  1. はじめは便のてんこ盛りがあちらこちらにできた。その後は穴を掘ったり、プールから水を運んだり、新聞の上にしてビニール袋に入れたりと工夫がなされた
  2. 神戸市で全避難所に仮設トイレが設置されたのは約2週間後と時間がかかった
  3. 高齢者や身体障がい者は、ところ狭しと避難所に人が集まるなか、人ごみをかきわけてトイレに立つが、寒くて長い時間並ぶことが大変だったり、多くは和式で手すりがなかったり段差があり狭いなど使いにくく、トイレを我慢する傾向が出てくる。なかにはトイレに行く回数を少なくしようと、ようやく手にした少ない飲食さえも控えるようになり、衰弱する人まで出た(水をとらないと、人は脱水症状を起こしたり、血液が凝固し、脳疾患や心疾患になることもあり、大変危険です)
  4. 神戸市では75人に1基の割合で設置して、ようやくトイレに関する苦情がほとんどなくなる
  5. くみ取り式トイレの使い方がわからず、汚物が少しでもたまると申告してくる人もいたため、使用法に関するチラシが作られた
  6. バキュームカーを自治体はあまり持っておらず、被災地外から応援をうけた。仮設トイレの設置場所の把握にも困難があった
  7. 後に高齢者や病人がいる家には、ポータブルトイレが提供された
  8. 在宅被災者は、断水で大量のトイレ用水の確保に苦慮。ボランティア頼みになったり、あまりの重労働に体を壊したり、あるいは貴重な飲料水まで使用したといった苦労もあったとされる
  9. 神戸市では、効率的な収集作業を行うべく、垂水下水処理場及びポートアイランド下水処理場にし尿を直接投入した。

水まわりで一番、困ったのは、
トイレでした

水が出なくてトイレが使えません

 

大量の水を必要とする
透析について >>

 このように、トイレ問題は本当に切実でしたが、これは避難所に限ることではありません。仮に下水管が破損していなくて水があれば流せますが、その際でも配管が詰らないよう、使った紙はビニール袋に入れてため、少量の水で流せるようにするといった工夫が必要です。
 また、水の利用ができない場合に備えて、各戸で家庭用の携帯トイレを購入しておいたり、既存の便器や頑丈な段ボール等に、大きなビニール袋を2〜3重にかけ新聞紙や紙、紙おむつなどを敷いて吸収できるようにして使用したり、庭に穴を掘って使うといった工夫も求められます
 毎回、処理するのではなく消臭剤をかけながら少したまったら袋をしばって、上・下水道の復旧が再開されるまでの間、各戸で外に保管するといったことも必要です。みなが一斉に下水道の復旧前に流したり、ゴミ捨て場に無造作に置いたりすると、時間がたつうちに雨が降って流れ出るなど、不衛生になり伝染病等がまんえんする元にもなりますので、みなさんの協力が必要となります。


  主な参考資料 :
   「阪神・淡路大震災教訓情報資料集」 
    内閣府・(財)阪神・淡路大震災記念協会(一部編集)   
 ※ 上記、資料に記載されている参考文献の一覧はこちらから >>

ま と め

  1. 水道は、上水道と下水道の両方の復旧が必要となりますから、時間がかかることを覚悟しておきましょう。
  2. 大災害では、給水所に並ぶのも、被災者にとっては大切な仕事になります。大変ですが、仕方ありません。
  3. どこも数日間は大混乱です。飲み水に困ることもあるかもしれません。家族の人数分、最低3日間(3日×2〜3リットル/日×家族の人数分)くらいの飲料水を置いておきましょう。特にマンションでは、停電になると、上にあるタンクに水を運ぶポンプが止まるので、そのタンクが空になれば蛇口から水は出なくなります。
  4. 消火用や生活用水には、家庭の事情に則して、風呂に水をためておいたり、雨水をためておくタンクの設置をしたり、集合住宅では多く消火器を置く、地域で井戸を確保する、といったことも検討しましょう。 特にマンションや集合住宅にお住まいの方は、エレベータが使えるふだんから、予備の水を運んでおくことをおすすめします。

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