このように、プロパンガスの長所が活かされたことから、ガス漏れによる火災もなく、復旧も早かったといえます。そして、避難所など、すぐにガスを必要とする場所に、速やかに提供され、災害に強いことも示されました。
ただし、心配なこともありました。直接の各戸に設置されていたプロパンは速やかな対応もあり大丈夫だったのですが、LPガスを貯蔵しておくタンクからガスが漏れ、大騒ぎとなりました。詳細は、次のとおりです。
地震の次の日、18日の午前6時、激しい液状化現象によってLPガス貯槽(液化石油ガス(LPG))からガス漏れがあり、安全値を超えたことで東灘区のほぼ西半分と六甲アイランドの住民に避難勧告が発令されました。対象は約7万人でした。しかし、現場と災害対策本部の連絡が混乱し、避難の範囲、発令時間、解除時期などが住民たちに行き渡らなかったり情報が錯綜するなどして、大混乱となりました。結局、避難勧告は、LPGの移送開始および警戒体制の整備に伴い1月18日夕刻に一部解除され、最終的には1月22日午後14時30分に全面解除されましたが、後に、周辺住民が避難先から帰宅したあとも漏出が続き、6日間にわたって誘爆発の危機が続いていたことが明らかになった、という報道がなされたり、車がガス爆発の着火源になる危険性は認識されていなかったので、多くの人が車を使ったことなどが報告されています。
運良く、大きな事故にはならなかったものの、この点においては多くの課題を残している、といえそうです(詳細は以下)。
LPGガス漏れに関する事態を、もっとくわしく >>
阪神・淡路大震災では、プロパンガス(LPガス)の復旧までに、約2週間の日時を要しました。
主な参考資料 :
「阪神・淡路大震災教訓情報資料集」
内閣府・(財)阪神・淡路大震災記念協会(一部編集)
※ 上記、資料に記載されている参考文献の一覧はこちらから >>
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GIVE UP 阪神・淡路大震災 復興への対策と教訓
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GIVE UP II 阪神・淡路大震災 LPガスの活躍 |