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首都圏では、6万4000台ものエレベータが停止!

 2005年7月23日午後4時35分頃に首都圏をおそった地震(震源地は千葉県北西部で震源の深さは約73km、地震の規模(マグニチュード)は6.0と推定。足立区で震度5強を記録)では、1都3県で6万4000基ものエレベータが停止しました。これくらいの規模では停電は起きない、と常々言われていましたが、小規模ながら停電になった地域があったり、電車の復旧にかなりの時間がかかったりしました(日本エレベータ協会によると、協会に加盟するエレベータメンテナンス会社が管理するのは首都圏で約22万7,000基。復旧に関わる作業員は、都内だけで約2,600人ですから、作業員の絶対数が足りませんし、消防署も来れません)。
 エレベータでは、階と階の間に止まり閉じ込められた人もいて、同時に多発したことから管理会社の技術作業員の手がたりず、救助や復旧が次の日までずれこんだものもありました。
 最近のエレベータには、「地震時管制運転装置」という安全装置がついています。これは、大きな揺れが起きると、地震発生時に一時停止した後、最寄り階まで動いてドアが開くといったものです。日本エレベータ協会によると、23日におきた閉じ込め事故は1都3県で78件。うち、73件は、この安全装置が備えられていたものでした。きちんと作動しなかった原因としては、二次災害をさける設定が作動(ドアの異常感知など地震以外の緊急装置も働き、停止を優先)したためとされていますが、さらなる解明とともに対策が検討されています。
 報告書のリンク >>(社)日本エレベータ協会『「千葉県北西部地震」を契機とする地震対応強化策検討』2005年12月20日

 近い将来、各地で直下型地震や海溝型地震といった大きな地震がくることが心配されていますが、広域の地震災害で多くのエレベータが同時に停止した場合、技術者の人手が足りないことから、復旧はまず病院などの公共施設が優先されると思われます。エレベータにのっていて、悪い条件が重なれば、数時間、あるいは日にちをまたいで閉じ込められることもあるかもしれません。
 こういった対策は、いつもビルやマンションを利用している皆さんでできることをしておくことが大切です。たとえば、

  • ビルの管理者は、ふだんから、インターフォンの受け手を複数にするなど消防署と保守会社が連携をとれるようにしておく
    (ただし、大規模災害では、消防署は来ない(来られない)ですし、インターフォン先の保守会社も、すぐ連絡がとれない、と考えるたほうがよいでしょう)
  • ふだんからビルを利用する皆さんは、エレベータ保守会社でなくても、ビルの管理人や特定の住民、利用者が最寄りの階まで動かすことができるように訓練しておく(←これは絶対に必要です)
  • エレベータの利用者は、動いているとき揺れを感じたら、まず、最寄りの階(一斉にすべての階)のボタンを押して止めて、安全を確かめながら外に出る。もし、変な場所で止まったら、無理して外に出ずに、エレベータ内からインターフォンを使って外と話しをする、靴のかかとなどの固いもので、ドアを叩き、外部に位置を知らせるなどして、体力を温存しながら、救助を待つ(エレベータのドアはきちんとした位置で止まっていなければ、中からは開きません)

といったことが必要となります。仮にエレベータ内に閉じ込められても、とにかく、落ちついて行動しましょう。停電でも非常用バッテリーが作動して停電灯がつきますし、ほとんどの場合、換気や通気は保たれています。無理な脱出はかえって危険です。
 そして、それほど大きな地震でなくても、高層の構造物を多くかかえる都市部では、想定外の事態がたくさん起きる可能性が高い、ということを認識しておく必要があります。
 なお、ふだんの心得として、エレベータに乗るときは、できればトイレに行ってから乗ったり、少しなら階段を利用したり、空いているエレベータを待って乗ったり、チョコレート、飴を持っているようにすると良いでしょう。また、ビル管理者・利用者は、エレベータ内に簡易トイレや水、非常食(チョコレートやカロリーの高い保存食)を天井などにセットするなど、検討することをおすすめします。

  高層ビル、超高層ビルなどで起こりうる事態については、こちらから >>

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